一年とは本当に早いもので、あと数日で2011年になる。
 年の瀬になると思い出すのは、一昨年前の年越派遣村、そして、昨年のワンストップサービス等が挙げられる。あれだけ騒がれた問題が、この年の瀬になっても浮上してこないのは、雇用や関連するセーフティーネット等の構造的な問題が密かに一通り解決したからなのだろうか・・・。
 そう考えていたところ、政府は失業者に対する年末緊急職業相談を29、30の両日、11都道府県の19カ所のハローワークで実施すると発表したようである。職業相談や紹介の他、住居を失った失業者への住宅情報の提供なども実施するとのこと。完全失業率が5%台に高止まりしている厳しい雇用の情勢を考えれば、当然と言えば当然の措置であるのかもしれない。
 「一に雇用、二に雇用・・・。」と勇ましく言っていた方もおられたが、具体的な雇用対策は特になく、農業や介護・福祉分野の人的補充を例に挙げるのみだったような記憶がある。外貨を稼ぎ、税収を上げていかないと、それこそ税に頼る部分の大きい介護・福祉分野は成長を維持出来ないのではないだろうか。最近になって、法人税の引き下げを打ち出したが、それだけで雇用の拡大が図れるとは思えない。
 中国へのODA朝鮮学校無償化・子ども手当等。現政府は緊急に取り組むべき政策、そして、お金を投入すべき部分を間違えている。「一に雇用、二に雇用・・・。」と言ったのなら、くだらないことは中止し、雇用問題にもっと本腰入れて取り組まないと、この先もっと大変なことになるだろう。『政権交代が最大の景気対策』と言っていたことが、そのままそっくり自分たちに返ってきていることをいい加減に気付け。