京都大学等、4つの大学入試問題が入学試験実施中にインターネットの掲示板に投稿された問題の件で、仙台市の予備校生が偽計業務妨害容疑で逮捕されたようである。
 カンニング等の不正行為は厳重に取り締まるべきものであって、発見した場合(若しくは発見された)は罰則を与えなければならないものだと確かに思う。しかし、連日の報道を見ていると、結局何が問題だったのか分からなくなる。
 不正行為そのものが悪い・不正行為を許した大学側の管理体制が悪い・インターネット社会に問題がある・手口に問題がある等々。どのような切り口でこの問題を社会に伝えるかは報道の自由なのだろうが、物言わぬ弱い者に対しては、徹底的に叩こうとする報道姿勢に現代社会の病理と問題を感じる。
 不正を犯したこの少年は、報道機関による社会的制裁は十分受けたはず。これ以降は、司法の判断に委ねれば良いだろう。報道は、そんなことよりも「中国軍機が日中中間線を大きく越えて尖閣諸島に接近したこと」を一面に取り上げ、中国等の力のある国に対し、抗議や批判の声を上げてみせよ。