東日本を襲った大震災から約2週間が経過した。被災地の方々や被災地周辺の方々においてはまだまだ御苦労の掛かることばかりと思うが、1日も早く平穏な生活が送れる日が来るよう、心から祈りたい。
 東日本大震災による被害に心を痛めつつ、世間一般の動きを暫く追ってきた。各界のいろんな方々や団体がいろんなアクションを行い、有事における対応や復興に向けた支援を展開している。日本国民全体のエネルギーが被災地への支援と復興に向けられていることが伺われる。そんな中、高校野球も無事開幕、そして、プロ野球の開幕問題も、昨日4月12日のセ・パ同時開催という結論に至ったよう。
 今日はこのプロ野球開幕問題について一言言いたい。世間は開幕延期を訴え表だって動いていた選手会長選手会を賞賛し、3月29日開催を強行しようとした某球団を批判しているようだが、物事の本質は本当に開幕時期という部分にあるのか疑問に思う。感情論を先行させれば自粛すべきとなろうが、開幕を2週間遅らせただけで、争点の一つとなっている電力の問題はその時に解決しているのだろうか。結局、開幕を遅らせたというだけであって、問題の解決迄には至っていない。
 プロ野球は選手だけで興行できる物ではない。たくさんの人たちや、色々な関連会社が開幕に向けて準備をしている。感情論による自粛を先行させ、企業活動が延期になったりすることで経営体力のない企業への影響はどうだろう。そしてそれに連鎖する経済停滞は国の税収を圧迫したりすることにならないか。早くも増税論が持ち上がっていることを考えれば、感情論の先行が被災者及び被災地への復興資金を削ったりすることにならないだろうか。マスコミの論調は選手会側に偏りすぎである。分かりやすい対立構造を世間受けするようにマスコミが造り上げただけである。
 有事を経て、本当に日本を悪くしてきたものが何であるか、その正体が分かったような気がする。