2010年の世相を表す「今年の漢字」に「暑」が選ばれたとのこと。2010年の夏の記録的「暑さ」や、チリ鉱山の落盤事故で作業員33人が「暑い」中を生き延びたこと等が選ばれた理由にあるらしい。
 「暑」は今年の夏の気象であって、今年の世相ではないだろう。政治的側面を主に捉えるなら「愚」「虚」「呆」辺りで、経済的側面を主に捉えるなら「塞」「冷」「寒」辺りではないか。唯一日本国民に希望を与えた宇宙事業を主と捉えるなら「隼」「天」辺りなんかどうだろうか。
 どこぞの政治屋さんなんかは、「拓」や「光」等の漢字を挙げていたようだ。今の日本の社会情勢から、これだけポジティブな漢字を引っ張りだせる感覚がどうも理解出来ない。これだけを捉えてみても庶民との感覚は大きくズレていることが分かる。景気が良いのは、この漢字を挙げた政治屋さんの脳内だけだろう。「暑」さで頭のネジが緩んでしまったと思うしかない。
 振り返れば確かに暑い夏だったような気はする。しかし、個人的には「暑」より「熱」の方がしっくりくる。これほど熱くなった夏は、本当に久しい。「甲子園」へ行くことだけを考え、必死になって練習に取り組んだ高校の時分以来だと思う。今思えば、長男が戦っていたのか、自分が戦っていたのか、よく分からない位「熱い夏」だった。来年以降もこのような「熱い夏」が来れば良いなと思っている。