坂本龍馬33年の生涯を描いたNHK大河ドラマ龍馬伝」が昨日の放送を以て最終回となった。個人として「風林火山」以来、久々に一年を通して視聴したドラマだけに、日曜日の楽しみが一つ減ってしまったことが残念でならない。出来ることなら、坂本龍馬の業績を示す為にも新政府要人の顔見せと新政府発足ぐらい迄は描いて欲しかったと思っている。
 我々は、脚色されたものでしか「坂本龍馬」という人物を知り得ない。しかし、「坂本龍馬」という150年も前の人物が、未だに取り上げられ、語られることの意味を考えなければならないのかもしれない。恐らく、幕末の時代よりも危機的状況にあるだろう現代の日本において、間違いなくホープそのものなのではないかと考えている。強いリーダーよりも、フィクサー的役割を果たした人物が今にして何故に望まれるを考えなければならない。自ら奇兵隊を名乗り、奇兵隊内閣云々と、歴史の冒涜に等しいことをしている某内閣及び政権与党は、真剣に考えてほしい。
 「国とは何か、国を変えるとはどの様なことか」ということを・・・。
 改革を良しと考える人がいるのと同じ人の数だけ、改革を良しと思わない人の「憎しみ」や「恨み」を受けることになる。それだけの気概と強い意志、そして強い覚悟を政治家の方々は持っているのだろうか。昨年の夏、「政権交代」という分かり易いキャッチフレーズで、多くの民意を背負って誕生した政権も、今は遠い昔である。中身の無い詐欺フェスト、意味の無い保身と政争、他国民への配慮先行、自国民の民意無視等々。国民の為になったことが、今を以てしても何一つないという現状は流石にどうかと思う。国を思い、国の為の奔走した幕末の志士達が、この現状を知ったとしたら、きっと嘆くだろう。
 しかし、NHKも罪な事をしてくれる。今まさに龍馬が斬られるという場面でのニュース速報。あのニュース速報に目を奪われ、一番の見せ場を見逃してしまった。あの神懸かり的なニュース速報のタイミングは、まさに字幕テロとしか言いようがない。何となく、ここまで積み重ねてきた一年間がニュース速報によって崩されたような気がする。しかし、ものは考えようで、きっと龍馬伝を見てても、政治に無関心な国民に「喝」を入れたかったのだろうと思うこととした。