2〜3日前の新聞だったか、気になる記事を見つけた。
 某県の某県立高校の野球部において、同校の教諭でもある野球部監督が、野球部員全員に通知表を提出させ、1学期の成績や部活動への取り組みなどが優秀だった順に、1〜19番の背番号を渡していたとのこと。加えて、テストで落第点をとった部員に「赤点帽子」と名付けた赤い帽子を被らせ、練習させたこともあったとのこと。
 「学校は野球をするところ。」という確固たる信念を持って中学生活・高校生活・大学生活を過ごしてきた自分にとって、とても身の縮む思いがする出来事である。もし、このような監督が身近にいたなら、とてもレギュラー番号などもらえなかっただろうと思われる。反面、このような監督がいたとしたなら、もう少し勉強が出来た生徒なり学生なりになっていたかもしれないという残念な思いも少し湧き上がる。
 学生の本分は勉強をすること。赤点ならば、練習参加禁止という対処は自分の時代にも当然としてあった為、一見問題ないような気もする。しかし、文武両道を盾にした、学業至上主義的なやり方はどうも賛同できない。人の個性や、得意不得意はどう扱われるのか。教室の机の並び順が、「足の速い順」という事には絶対ならないだろう。何かを伸ばすときに、別の何かを否定するやり方は間違っていると思う。加えて言えば、第三者(部員以外、学外者)にまで、部員個人の成績が晒される恐れがあることに対する配慮は一体どうなっているのか。
 どのような経緯でこのようなルールが定められたかは知らないが、野球部や野球部員は、この監督の私物ではない。せめて、一定期間は練習に参加させない、選手を登録メンバーから外す、試合に出さない程度の対応にしておくべきだったのではないだろうか。高校生くらいになれば、自分の学業成績は全て自分の行動に対する結果と考える。学業成績が悪ければ、「次は挽回しよう」と考え、何らかのアクションを自分から起こすこともできる。この監督なりのアイディアだったのかもしれないが、本気で野球をやっている部員の気持ちを汲めば、ここまで行き過ぎた対処にはやはりならないだろう。近頃、本当に「極端」なことばかりが目立っているような気がしてならない。