ここ最近、自殺した生徒への対応・不適切指導及び不適切言動・体罰等、教育現場に対する批判的報道がやたらと目に付くような気がしてならない。連日、ここまで多くの批判的報道が繰り返されると、教育現場の崩壊云々ではなく、マスコミによる意図的な印象操作・世論操作と感じる側面も多々ある。
 教師の資質、学校の対応等、全く問題がないとは思わない。しかし、マスコミや世間が一般的に指摘する教育現場の崩壊については、基を糺せば、マスコミが騒ぎ、便乗した世間が足を引っ張ったことにあるのではないかと思っている。ここ数年、マスコミが一々騒ぎ、常に世間がそれに便乗するという形が形成されてきた。その為か、教師の社会的地位はかなり低下し、教師が相手なら何をしても許されるといったような空気が世間一般にあるような気がしてならない。これは明らかに異常な事態であると思う。
 そもそも教育の根本は「親」ではないのか。日常生活における基本的躾けと基本的教育は親の役目であって、教育現場はそれを自主的に養わせる実践の場であるはず。大人と子供の立ち位置をしっかりと分からせる場であるはずの家庭教育も殆ど行わず、全てを学校に任せてしまおうとするやり方は、親の義務からの責任逃れでしかない。マスコミは、教育現場を叩くのではなく、家庭の教育崩壊を問題視すべきではないのか。友達親子だか何だか知らないが、親と子供の距離感が近すぎる風潮はあまりよろしくないのではないか。友達みたいな関係の中で育てば、教師や大人に対する敬意・反感等を持たずに育つことになるのではないか。
 昔は、学校で先生に叱られたり、叩かれたりしたとしても親が何かを訴えに学校へ走ったりすることは一切なかった。むしろ家でもおまえが悪いと怒鳴られくらいだった。当然、学校の教師も親も怖い存在でありつつ、頼らなければならない人だという意識を持って日々過ごしてきた。そのような感覚を今の子供たちは持っているのだろうか。日本は一体いつ頃からこんな社会になってしまったのだろう。本当にマスコミ恐るべしである。