今朝、何気なくテレビを見ながら出勤の準備をしていたところ、マクドナルドのマスコットキャラクターであるドナルドが、アメリカの非営利団体に「引退」を迫られているとの新聞記事が取り上げられていた。ハンバーガー等のファーストフードにより小児肥満や糖尿病などが急増し、それらの原因の一つとして、マクドナルドの子供向け宣伝戦略の象徴であるドナルドがやり玉に挙がったとのことらしい。
 海外においては、肥満人口の増加が健康上の大きな問題となっており、子供の健康や食の嗜好を守る為、ファーストフードの広告について、自主規制する方向に向かっているようである。2007年頃にも、アメリカにおいては、マクドナルドやペプシコーラ等の企業について、同様の問題が指摘され、その際に広告を控えるという合意に至った経緯があるよう。
 「自己責任」や「恥」という概念を基本に持ち、概念に基づてい行動する我々日本人には、(このような発想は)到底理解できない事象である。景気や家庭の経済力という自己責任では片付けられない要因があるのも事実だろうが、今の世の中、マクドナルドだけが安価という訳でもなかろうし、子供の食べ物を選択するのは概ね親であろう。上記のように何でもかんでも他者に対し責任を追及するという行為は流石に無理があるだろうと思ってしまう。
 そこには、オバマ大統領が提唱する国民皆保険医療保険制度導入等の絡みがあったり、貧困等の社会問題が底辺にあったりするのかもしれないが、問題の論点からずれたようなクレームを出しても何も解決にはならないのではないだろうか。この考え方に基づけば、結果としてお酒やタバコ等、それらに絡むいろんなキャラクターが排除されてしまうことにならないだろうか。
 アメリカという国における歪んだ社会の一部を垣間見たような気がした。