昨日20日、某首相が、首相官邸にて国際宇宙ステーションから帰還した宇宙飛行士の山崎直子さんの表敬を受けたとのこと。ミッション達成の労をねぎらった迄は良かったが、その後の話題において、「日本は(有人宇宙船の開発を)やらないのか?」と、他人事のような質問をしたらしい。
 そもそも宇宙開発事業とは、国家の戦略に基づいて行われるものなのではないのか。日本の宇宙開発事業の責任及び旗振りは、現場の方々にあるのではなく、日本のトップにいる某首相にあるのではないのか。いつもいつも他人事のような軽い発言は、政権末期と言えども慎むべきだろう。
 そして、今行っている事業仕分けとは一体何なのか???
 新開発の固体燃料ロケットの開発ですら第1次仕分けで止めたのは何処の誰だ。その状況の中で、有人宇宙船の開発予算なんぞ、一体どこから出てくるというのだろう。仕分け対象となったJAXAの職員にとっては相当不愉快な言葉だとは思わないのだろうか。
 民間企業と政府のすべき事柄・目的は似ているようでやはり異なる。結果として、偶々同じサンプルに行き付くことが、全て非効率と捉えられるのならば、人間は無駄な努力をしなくなる。無駄な努力をしなくなれば、必然と次なる進歩を遂げる確率も新たな事を見出す確率も低くなる。無駄を省くという作業は確かに必要であるが、何のために無駄を省くのか、どのような国家プロジェクト及び国家戦略の基に仕分け作業を行うのかが明確にされない仕分け作業なんぞ、単なるパフォーマンスに過ぎない。
 何度でも云うが、一番仕分けされなければならないのは、無駄に多い国会議員であり、グダグダしている民主党そのものだ。