厚生労働省のまとめによると、2009年12月の時点で生活保護を受けている人の人数が181万1335人となり、高度経済成長期初期の1956年5月以来、約53年半ぶり180万人を突破したとのこと。高齢化が進んでいることや厳しい雇用情勢が続いていること等がその要因とみられるようである。
 単純に140万世帯x15万円として、1ヵ月で2100億円程になる。セーフティネットを整えるのは勿論大事な事だが、セーフティーネットのハードルを下げ過ぎ、何でもかんでも生活保護とする事は危険だ。厳しい雇用情勢が原因で生活保護受給が増えているとするならば、働ける場所の確保・雇用を増やす対策を取る事の方が先決ではないだろうか。何にせよ、このままでは生活保護者が日本を潰すなんてことにも成りかねない状況だと思われる。
 個人的見解だが、生活保護は一時的な保護と永続的な保護とをそろそろ分けて考えた方が良いのではという思いを持っている。就労意欲が高く、保護費の返還に前向きな方(主に若年層になろうか)に対しては、積極的かつ幅広く援助を行うべきだろうし、就労意欲が低い方や何らかの理由で社会復帰の難しい方に対しては、現物支給や場合によっては施設収容等をふまえた低コストの援助なんかも検討すべき時期が来ているのではないかと思う。
 労働意欲を失わせ、不正受給がはびこりやすい今のシステムはやはり問題だと思う。福祉に従事する人間が、このような事を述べること自体おかしいと思うが、性善説に基づく現行の福祉のシステムが、現代の社会に適応しているとはあまり思えない。安易な金のバラ撒き政策は一時的に満たされるだけの効果しかなく、結局は何の解決にも結びつかない。