昨日、阪神赤星憲広外野手が、記者会見を行い、今季限りでの現役引退を表明した。「中心性脊髄損傷」との診断を受け、10月下旬頃より、身を案じた球団側より引退の勧告をされていたとのこと。
 別に阪神ファンという訳ではないが、非常にショックを受けたニュースである。パワー全盛となりつつあった野球界に再びスピードの魅力を吹き込んだ選手の一人である。数年前に行われた日米野球でメジャーの選手が『カバンに入れてアメリカに連れて帰りたい』と真っ先に名前を出すくらい、赤星選手の走塁技術は素晴らしいものだった。日本球界屈指のリードオフマンである。体の小さいが、それでも上を目指そうとする野球選手(長男等)は、本当にお手本にすべき選手だと言いたい。
 理不尽なファンのヤジに対し、正面切って意見した姿も何となくだが好感が持てる。加えて、盗塁を決めた数だけ福祉施設等へ車椅子を寄贈する等、慈善事業にも熱心に取り組んでいる姿等、尊敬できる部分が多い選手である。
 残りの30年以上もある人生を考えると、ここで引退するという決断は仕方のないことだと思うが、こんなに引退が惜しいと思える選手は久しぶりだろう。本当に残念であるが、次のフィールドでの全力疾走を期待したい。