昨日24日、第91回全国高校野球選手権大会勝戦が、阪神甲子園球場にて行われた。中京大中京(愛知)が日本文理(新潟)を10-9で破り、43年ぶりの全国制覇を決めたとのこと。深紅の優勝旗が初めて越の国に渡ることを期待していたが、残念ながらあと一歩及ばなかったようである。
 熱闘甲子園にて、ゲームの内容を確認したが、中京大中京が毎回の17安打、日本文理も14安打と、互いに持ち前の打力を存分に発揮した好ゲームであったようだ。特に「野球は9回2アウトから」という名言を実行した日本文理の凄まじい攻撃は、高校野球の球史に残るものとなるだろう。
 この試合、一件派手な打撃戦のように思われるが、明暗を分けたのは守備力の差だろう。決して日本文理の守備が悪い訳ではない。中京大中京の守備に対する意識が僅かに上であっただけのことである。4回1アウト1塁の場面で、中京大中京のセンターの選手がやってのけた背走しながらの好捕は本当に素晴らしいプレーだった。打球音、角度で瞬間的に落下点を判断しスタートを切る。打球から目を切り、落下点へ最短距離で走り込みながら捕球のタイミングを図り捕球する。あのようなプレーは日頃から、意識して練習していないと出来ないプレーである。あの1プレーによって、膠着したゲームが動いたのは事実であり、あのプレーがあったから、ゲームの主導権が9回2アウトまで中京大中京にあったのであろう。このビックプレーをやってのけたセンターの選手にもう少しスポットがあたってもよさそうなのだが・・・。
 それにしても、北海道が優勝を経験し、東北勢がほぼ毎年のように8強以上に進出し、新潟も決勝まで駒を進めることが出来た。我が県だけが、取り残されたようなこの状況を県の高校野球界はどう考えているのか。シニア、ボーイズ等の中学の硬式野球が盛んな県でない事が原因なのか、指導者がいない事が原因なのか、何が原因なのか分からないが、富山県高校野球経験者として、今の状況はあまりにも寂しい。今の状況を打破する為、富山県高校野球レベルを底上げする為、世間から批判を浴びようが何があろうが、職業監督を雇い、他県からの野球留学を積極的に受け入れするぐらいの高校が数校出てこないと駄目なのではないだろうかと思っている。