高校野球の地方予選も始まり、梅雨こそは明けていないが夏が来たという感じである。大学を卒業する迄、学生生活の大半以上を野球に注ぎ込んできた自分にとって、高校野球の地方予選と同時に夏が始まり、甲子園大会閉幕と同時に夏が終わるという気持ちは今迄変化することがなかった。しかし、今年は夏が来たはずなのに気持ちは冷めたままの状態が続いている。それもこれも長男が所属するスポ少の成績が芳しくない為ではないかと勝手に思っている。
 そのような中、昨日、JR西日本大会の出場権を持ったチームと練習試合を行った。双方、投手を中心とした堅い守りで、相手のチャンスを尽く潰しあう展開が続く。派手な打撃戦も見応えはあるが、1点を争い、我慢比べが続く試合も玄人好みで面白い。結局、点を取ることも点を与えることもなく0対0の引き分けに終わるが、県の代表チームを相手に一歩も引けを取らない試合が出来たのは、相応に力があってのことと考えても良いだろう。
 いつもこれぐらいの力が平均的に発揮できていれば、市の予選レベルで敗退することもなかったはずである。メンタル面さえ安定していれば、県大会レベルでも十分上位に入り込む力があると今でも思っている。相手のレベルに合わせ、野球の質が上がったり下がったりする不安定なチームからの脱却をそろそろ図らねばならない。
 この連休中、長男のプレーも昨日を除き散々だった。いつもと違い、油断か慢心か守りに集中することが全く出来ていない。集中出来ず、反応が遅れミスを犯す。そうなると打席で良い結果など出ようはずがない。これまで積み重ねてきたものが、無駄になると感じた内容だった為、皆が帰った後も1人グラウンドに残らせ、(野球に関して、)始めて1時間程の大説教をした。帰宅後も、目標の再確認を行う為、「熱闘甲子園(2008年)」のDVDを鑑賞させた。その成果が出たのかどうか分からないが、昨日はほぼノーミス、ヒットによる出塁、加えてプレッシャーの掛かる局面で送りバントを全て成功させる等、本来の動きに戻っていた。
 子供の出す結果に一喜一憂する姿。この事を冷静に考えてみると、長男の野球がいつしか自分自身の野球になっているのだと思う。長男が主力メンバーとなった分だけ、気持ちが他へ分散しなくなり、その分、夏が来たとは思わなくなったのかもしれない。結果を残せなければ何故かを一緒に考える。結果が出れば、次のステップへ移る過程を一緒に考える。自分の野球を追及するだけでは決して経験出来ない事を今経験させてもらっているのだと素直に思う。中学に行けば、子供の野球に口を出す事はなくなるだろう。そうなれば、また例年通りの夏になるのかもしれない。残り後1年、精一杯のサポートをしてやろうと改めて思っている。