中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市において、漢族とウイグル族、民族間対立がいよいよ深刻化してきているようである。暴動発生の原因が、民族間の経済格差によるものなのか、それとも長期にわたる人権侵害によるものなのかは分からない。おそらく社会主義という建前上の平等が掲げられていた時代からあった矛盾が、資本主義化という社会構造の変化の中で行き場を失い正しい方向に表面化してきた結果のものだと考えられる。昨年のチベット族の弾圧の件にしろ、今回の件にしろ少数民族地域における中国政府の政策方針が明らかに現在の社会構造に合っていない(間違っている)ことを示すのものではないかと思う。
 そもそも言葉、文化、生活習慣、考え方の違う民族同士である。付き合い程度の関係を築く事が出来たとしても共生となると話は別だろう。端から無理に共生する必要がなかったものを、強者の理論で一方的に封じ込め、政策として押しつけた事が間違いではないのか。だからこそこのような暴動が起こるのだろう。普通なら、政策の転換をはかり穏便に解決を図る方法を選択する。しかし彼の国は、どうしても独立主義者を追い詰める方法に向かう傾向がある。
 そのような事態を更に力で解決しようとする行為そのものが理解できない。何故にこのような国が、国連の常任理事国として名を連ねているのかが本当に分からない。大国としての自負があるならば、武力の行使ではなく、経済支援を含む人道的かつ包括的な対策を打ち立て、実行してみせれば良い。それが出来ないようなら、独立を認め旧ソ連のように分裂すべきだと思う。
 自分にとって遠い国の話であり、個人として何も出来る事はここで憂慮するぐらいの事だろう。長い歴史を持ちながら、何故何も学ばす、何も変わらずという姿勢を貫くのか。このような本質を持った方々を移民として受入れ、更に先ず日本の地方参政権を与えようとする動きがあるとしたら、日本の主権は一体どうなってしまうのか。いずれ日本も人事では済まなくなる時期がくるのかもしれない。