一昨年、昨年、今年と、いろんな少年野球の大会に参加帯同してきた。あくまで記憶の範囲での話であるが、各大会において初戦で敗退する事等は全くなかったと認識している。しかし、土・日に行われた市の大会でとうとう初戦敗退が現実のものになってしまった。「取り敢えず、一つ勝ってもらって、午後からチームの応援に合流」と算段していた土曜日だったが、その算段も崩れ、空しく過ごす結果になってしまった。チームの状態は再び底辺で、もうどうでも良いと思う心が、再建を図りたいと思う心を押しつぶす勢いである。
 先取点を取られるとベンチ内の空気が重くなる。ワンチャンスで試合をひっくり返し、接戦をことごとく制してきた勢いも今は遠い昔。チームを引っ張っていくべき6年生が、グラウンド内で声を出すことは出来ても自分以外の者に声を掛けられない、気を配れないという状況になっており、本当に情けないの一言である。それがまたなんとも寂しくて仕方がない。
 そのような状況を恐らく考慮しての事であろう。チームの監督は、今大会における個人賞(敢闘賞/各チーム1名)を5年生である長男に与えた。長男にしてみれば初受賞にも関わらず、素直に受け取ることが出来ない賞だったようである。長男は基本マイペースだが、物事の理解や感受に長ける部分が若干あるようで、それが「6年生のおこぼれ」であることも、今後の自分に対する「激励」であることも理解していた。おこぼれで貰ったクリスタルの楯を飾ろうとはせず、直ぐに引き出しの奥にしまい込むという姿が何とも痛々しく見えた。
 6年生は、このような現状をどのように感じているのだろうか。日頃の練習の中に現状を示すかのような事実がある事に気が付いているのだろうか。球際の打球を簡単に諦める6年生。対象的に球際の打球を飛び込んででも捕りにいく5年生。これは普通逆だろう。5年生が必死になって6年生を支えようとしている事を真摯に受け止め、反省すべきである。苦しい状況に追い込まれた時、待ち望まれるのは、リーダーであるべき6年生のビックプレーである。それが必ず試合の局面を左右する。負けが込み、気落ちするのは理解できるが、そこから何とかして這い上がろうとしないのは良くない。気持ちを切り替える為にも、一度馬鹿になったように声を出し、一つの球を全力で追ってみる事が大事なのではないだろうか。
 監督やコーチ、親そして5年生以下も、6年生の奮起を待っている・・・。