今朝の某スポーツ紙に「任侠ヘルパー」という連続ドラマが7月上旬頃から放送されると書いてあった。連続ドラマの概ねのストーリーはこのようなものだそうだ。研修のためと幹部に命令され、各支部の組長や構成員らが老人介護施設で働くことになるとのこと。幹部昇格のためにとヘルパーに本腰を入れるうち、人との触れ合いを取り戻したり、能率主義を掲げる巨大な介護組織と対立があったりするそうだ。どのような事にも「弱きを助け、強きをくじく」の任侠精神で立ち向かっていくらしい。
 フィクションなのはわかっているが、この設定は流石に頂けない。
 今の介護現場の現状をしっかりと把握し、社会に対し問題提起をする意味でという内容のものならば、賛同することも出来る。または、その世界の裏資金を暴く社会派ドラマというなら理解できる。しかし、介護とその筋の方を強引に結び付ける必要性については全く理解出来ない。
 ここ最近、テレビの世界の考え方がおかしいように思う。ドロップアウトした方々の世界を肯定的に表現しようとするドラマが多過ぎる。本来なら、ドロップアウトすることの方が問題があるにも関わらずである。今回のこのドラマにしても、介護の現場をドラマの世界で面白おかしく表現しようという姿勢を以て、テレビの世界が如何に介護の現場を見ているのかが何となくだが伺い知れたような気がする。
 その一方で、それだけ、今の社会が自分より上の権力層に不満を持ち、旧態依然の生活を打破したがっているのかと想像することも出来る。それならば、いっその事、介護の現場を追い詰める制度を作った厚生労働省と戦うというストーリーにしたらどうだろうかと思う。
 NHKあたりで、社会派の連続ドラマとして・・・。