厚生労働省が昨日10日公表した2月の労働経済動向調査によると、従業員の過不足を表す指数が、正社員は5年半ぶりに、期間従業員臨時雇用は7年ぶりにプラス(不足)からマイナス(過剰)に転じ、パートも9年9カ月ぶりに過剰となったとのことである。
 この調査結果を足りない頭で単純に解釈すると、モノが売れないからモノを作りたくても作れない。モノを作りたくても作ることが出来ないから労働者はいらない。労働者がいらないから労働者を整理する方向へ向かう。このような解釈になるのだろうか。
 これまでの日本は必要・不必要に関わらず、公共事業を行うことによって、雇用を創出してきた経緯がある。しかし、道路等のインフラ整備が隅々まで施され、わりと快適に生活が送れる現代社会においては、公共事業投資そのものが無駄なものとして世論全体に認識されるようになってしまった。
 時代によって社会、労働環境、仕事内容、そして雇用状況も違うからある程度変動があるのは仕方の無いことだと思う。そして、この調査結果は第二次産業の構造的な問題が世界同時不況において表面化してきただけのことである。遅かれ早かれ、ロボット化が進めば、第二次産業においては表面化する問題だったであろう。
 政府は、いろいろ忙しい局面にあるようだが、福祉及び第一次産業など不足している産業への就業をし易くするような政策。社会保障費半額等の税制上の優遇。起業を行う人への資金サポート。起業して事業が軌道に乗る迄の(2〜3年)企業負担分の社会保障費一部免除や税の一部免除等。積極的な政策を早々に打って出ないとマズイだろう。
 人々はこのような時期にこそ、新サービス・新産業による一発逆転を考えている。政府がそのような人々をサポートすることで、はじめて雇用の創出ができ、かつ、不況からの脱却をはかる手立てにもなるのではないだろうか。