神奈川県藤沢市にある某工科大学が、障害者や高齢者が使いやすい福祉器具開発の一環として、全身の筋力が急速に衰える難病のASL(筋委縮性側索硬化症)でも演奏できるギターの開発に取り組んでいるらしい。
 某工科大学は昨年秋、普段から障害者と接することで倫理観の高いエンジニアを育てるという目的のもと、寝たきりのまま人工呼吸器で生活しているASLの男性を非常勤助手として採用し、福祉器具を使う立場からアドバイスをもらう等、良好な共助の関係にあったそうだ。
 ASL患者とその家族の方々の活動は本当に活発で、上記の他にこんな例もある。患者や家族が中心となり介護専門学校や福祉系大学の学生らをヘルパーとして養成、更に患者や家族が訪問介護事業所を運営し、育てたヘルパーを自分たちの家に派遣する。通称「さくらモデル」という新しいシステムを作りだした方達もいる。
 このようなニュースを見ると、派遣村の一部の方々や就労をあきらめてしまう障害者の方々とは決定的な違いを感じることができる。
 「体の機能は失われようとも、心の力は決して失われるものではない。」
 ASL患者はそれを良く理解できる方が多いのかもしれない。人間の可能性は無限で、その可能性を引き出すのは折れない心なのだろう。そして、その折れない心が、上記のような良好な共助の関係を築く要因であるのかもしれない。
 人間は、いかなる時も自分から諦めるようなことをしてはいけない・・・。