厚生労働省が昨日20日に2008年の障害者雇用状況(6月1日現在)を発表した。それによると、民間企業の雇用率は、前年を0.04ポイント上回る1.59%で、過去最高を記録したそうだ。
 障害者の雇用については障害者雇用促進法によって義務付けされており、従業員56人以上の民間企業と国や地方公共団体は一定以上の障害者雇用をしなければならないとされている。
 障害者雇用率(法定雇用率)
・一般の民間企業 1.8%
特殊法人 2.1%
・国、地方公共団体 2.1%
都道府県等の教育委員会 2.0%
 上記の法定雇用率に達しなかった未達成企業は納付金を納めなければならない罰則らしきものがある。その一方、納付金を財源として障害者雇用助成金や調整金・報償金を支給する仕組みをとっている。そのため未達成企業の存在が制度上不可欠であり、仮に全企業が法定雇用率を達成すると財源が0となり、国の障害者雇用システムが完全に立ち行かなくなるという矛盾がそこにある。
 そのような状況がある中、障害者の雇用状況を発表することに違和感を感じる。本気で雇用状況の改善を図る必要があるとするならば、事業主に対し障害をもっていても働けるような職場環境の整備を義務づけ、障害者の差別を厳しく禁じるぐらいの制度を作らなければならないのではないか・・・。