先日、カンファレンスが終了した後、患者としての権利を訴えた方がいた。
 患者の権利について、ここ数年間で急速に普及しつつあることを感じてはいた。ただ、それを表立てて口にされる方は少ない。権利意識の普及は非常に大事なことだと思われる。しかし権利があるところには、どうしてもそれに伴う責任や義務が生じるのではと個人的に考えている。
 ある有識者は、「患者に負うべき義務などない」と言う。全ては医療提供者側の配慮が欠けていたことから生じる表現だと言うそうだ。この有識者の考えに沿えば、権利の主張にはそれなりの義務が生じると考えている自分は配慮に欠けている人間となってしまう。これに関しては、確かに否定も出来ないし、この有識者に対抗できるだけの理論もない為、いまは未だ黙っておくしかないだろう。
 ただ、権利さえ主張すれば何を要求しても適えられると思われるのは本当に都合が悪い。自己の権利主張が一方通行或いは、無理難題過ぎると、それは最早クレーマーの域なのではないだろうかと・・・。