1989年に消費税が導入されてから概ね20年近くが経過している。消費税が導入された当時、自分はまだ高校生であり、無駄な1円玉を常に持ち歩かなければならなくなったことが唯々鬱陶しかった。もちろん消費税が何の目的で導入されたかということには一切関心がなかった。
 数日前、何かの討論番組で自民党総裁候補の一人が増大する社会保障の財源に関し、消費税10%程度への引き上げは避けられないという事を言っていた。あれから20年、今では当たり前のように支払っている消費税だが、当時とは異なった不満をここ最近は抱くようになった。
 その主たる理由は、使い方の問題である。正直何処にどの程度使われているのか分からない。無駄な公共事業、官僚の天下り等に税金が使われているのではないかという疑念が常にある。そしてもう一つ、広く薄くという概念より徴収される消費税は、低所得者ほど負担のその割合が大きくなるという仕組みの問題である。
 消費税の増税を謳うこと自体構わないが、それならば消費税を社会保障以外に充てないことを法律上明確にすることを約束せよ。年金や医療等、最低限の生活を保障するセーフティーネットを確実に提供できるというビジョンを見せるだけの気構えを持って増税論を打ち出せと言いたくなった。
 
 消費税導入から約20年の歳月を振り返り、自分が少し成長していることを実感した。