マスメディアに思うこと。
 マスメディアは本来、散在する不特定多数の受け手に対して、パブリックなメッセージを伝達する為の媒体である。記号集合としてのメッセージを搬送するのがメディアの役割だと思っている。
 ただ、最近のメディアは、メッセージを搬送するだけでなく、搬送する過程において、自己の精神内容を盛り込みすぎたり、本質部分を勝手に削除したりする傾向があるように思われる。一つのメッセージを取り上げても、メディアの在り方によって全く異なる印象を持ってしまうことが多々ある。そして、ここ最近においては、悪意とも取れる見出しを付け、世に送り出すメディアが多くなったような気がする。
 先日、辞任した福田首相にしても、その前の安倍さんにしても、何となくメディアに潰されたような印象が拭えない。辞任会見の際の記者の質問も聞いていて何となくだが不快に思った。
 メディアを通じ、物事の本質を見極めること自体が難しくなってきているとなると、我々大衆は何を信じ、何によって判断すれば良いのか。メディアもそろそろ原点回帰する必要があるのではないだろうか。