3月に入り、停滞気味だった退院調整が少しずつ動き始めている。
 昨日も何件か飛び込みで今後の生活について相談を行いたいとの申し出があり、急遽いくつかの相談面接を行った。整形系疾患にて入院となった利用者はほぼ在宅という方向性は保たれているが、脳血管疾患にて入院に至ったケースは、内科的疾患も併せ持っておりコントロールが難しい。その影響もあってか、やはり方向性が二転三転し定まらないことが多い。
 理由に関してはいろいろある。
・介助量と介護力のバランスの問題
・内科的疾患より派生する問題
・地域サービス量の問題etc
 家族のニーズは充分に理解でき、応えられる限りは応えてあげたい。その為にいろんな社会資源を引っ張りだしては組み合わせてみる。しかし、既存のサービス形態では、複雑多様なニーズに応え切れないという事実に直面するばかりで、話が前へ進まない。このまま療養病床の病床数削減を迎えると、大変な事態になるということが安易に想像できてしまう。
 ただ、前述したように複雑多様なニーズに応え切れない事実があるという事を家族側も理解してもらいたい。その為に、病院側も何かしらの対応を検討しなければならないのかもしれない。家族を交えたカンファレンスの機会を増やしていくことも一つの方法かもしれない。また介助量の多い利用者の家族に対しては、直接的な介護指導を行い家族の介護力向上を図ることも方法の一つかもしれない。
 平成20年度診療報酬改定では、社会福祉士資格を持った医療ソーシャルワーカーの退院調整に関して、診療報酬点数表で評価されることになったという情報も既に入っている。相談業務の一部が有料化されるということは、社会的責務を負うということである。今までのようなやり方で本当に社会的責務を負うことが可能なのか。業務の見直し、改善が必要である。