家族の機能についてつくづく考える。
 社会学的にいう家族の機能とは、以下のように多岐にわたる。
・生殖機能
・子供の養育
・衣食住を中心とする消費生活機能
・老人、病弱者の保護
・経済的生産
・教育、娯楽
・宗教的機能
・社会的地位付与
 産業、都市の進展ととも子供の養育や教育は学校へ、経済的生産は工場へ、老人や病弱者の保護は医療福祉機関へ、宗教的機能は俗世化とともに衰退または寺、神社等へ隔離というように徐々に家族の持つ機能は縮小化され、現在においては、家族の持つ機能は殆どないような状況である。
 現代の社会の流れの中に、家族の機能を期待するほうが既に間違った考えなのかもしれない。事実、退院相談を切り出した際、安易に「お金で解決できるなら」と考える家族が多く、何とも遣り切れない気持ちになる。特養はどこも100名以上の待機者を抱え、本当に入所保護が必要な人が入れないという状況に陥っている。これもある意味、家族機能が縮小されていったことに起因する当然の結果ではないかと考えている。
 最先端の流行を追いかけるのも良いことだと思うが、そればかりだとこのような社会の歪みに目が向かなくなってしまう。気づいた時には既に手遅れで、策を打とうにも場当たり的な策しか打てない。このようなことが如何に多いか・・・。
 嘆いてばかりもいられないのだが・・・。