某新聞で高齢者虐待防止法の記事を見つけた。
 ・身体的暴力・放置・心理的虐待・性的嫌がらせ・経済的虐待
 以上、五つの事項に分類され、虐待が疑われる若しくは発見した場合、速やかに市町村に通報しなければならないとされている。当然、高齢者福祉に関わる団体の職員や介護事業所の職員は虐待の早期発見に努めなければならない。
 記事において、対応窓口を設置している自治体は91%、啓発活動をしている自治体は44%、対応マニュアルを独自に作成している自治体は23%と自治体の意識が低いことが指摘されている。
 通報はあったが、介入するタイミングを逃しました・・・。こんな言葉が今にも聞こえてきそうな感じがする。施策はあっても、曖昧な表現があると、やはりその施策に強制力は感じない。この施策の中核を担う、地域包括支援センター社会福祉士は正直大変だろう。倫理綱領に基づき、職業意識だけで調査・介入と行動を進めていかなければならない。職責を問われるリスクがあるはずなのに、後ろ盾が・・・。
 それは別として、この数字、視点を変えた見方をすれば、現場で働く我々の意識が反映されたものという考え方もできる。一体、どれくらいの介護・福祉従事者がこの施策を意識しているのだろう。もしかすると、この施策を知らないという人もいるかもしれない・・・。

 高齢者の権利擁護を日頃より意識し、何をもって虐待と判断するのかアセスメントする力を身につける必要がある。そして発見ケースとして、行政に持ち込む意識・勇気があるかどうか。社会福祉士として、疑われるケースに直面した時、自分はどういう行動をとることができるのか、考えさせられる。