昨日の報道より・・・。
 民法改正による選択的夫婦別姓制度の導入について、鳩山首相は、家族の在り方や個々の権利に繋がることを理由に、選択的夫婦別姓制度に賛成との立場を表明したとのこと。これまでのブログにおいても、この件に関しては否定的に取り上げてきたが、改めて、この制度に反対しておきたい。
 対人援助の専門職として、これまで多くのケースに携わってきた。家族としての在り方が確かに多様化し、教科書通りの援助では、対応が間に合わないケースも多く存在する。家族でありながら、家族成員個々に焦点を当てていかないと対応出来ないケースも多くあることから、個々の権利が尊重されることの重要性も重ねて理解出来る。
 上記のことから、首相の言われる理由については理解出来ない事もない。しかし、だからといって選択的夫婦別性制度に賛成することは到底出来ない。家族とは如何なる時代の如何なる人間社会にも普遍的にみられる基礎的社会集団であり、夫婦関係を中心とした親族関係者が感情融合によって結び付き、生活保障と福祉の追求を行う第一次的集団である。
 夫婦で別性を名乗ることによって、この感情融合という部分が今よりも更に希薄になるリスクについては、一体どう考えているのか。夫婦が別性を名乗り、親子も別性を名乗るとなれば、それだけで家族成員は常に緊張にさらされることになるのではないか。こうした緊張状態が続くとなると、それはもはや健全な家族とは言えなくなる。恐らく離婚や別居等、意図的別離が促進され、家族どころか日本はやがて解体へ向かう事になるのではないかと考えている。元々ポジティブな考えはない方だが、夫婦別性については、どの部分にもメリットを見出すことが出来ない。
 どうしても民主党がこの制度を導入したいと考えるなら、取り敢えず、民主党議員の子供を含む関係者全員が、夫婦別姓を名乗る等、10年〜20年程度のサンプルを取ってみせろと言いたい。何度も言うが、特定の団体や個人の思想に基づく事を国民全体に押しつける政治は本当に止めてほしい。夫婦別性なんかで、国民の命が守られるかと。