景気の悪化より派生した非正規雇用労働者の解雇という問題が、例年とは異なる年末の様相を感じさせる。更に厚生労働省が発表したまとめによると雇用契約を更新されなかったり、契約途中で打ち切られたりする、いわゆる「派遣切り」などで職を失う非正規労働者が来年3月までの6カ月間で、実施予定も含めて全国で8万5012人に達するとのこと。
 社会保障の観点においては、このような不安定すぎる雇用情勢はやはり脅威でしかない。8万5000もの人が納めるべき税を納められない状況になったとしたら、国家財政にどれ程の影響を与えることになるのか・・・。
 既に崩壊寸前と思われる医療、福祉、年金等というセーフティネットに大きな影響を与えることは容易に想像できる。雇用側・被雇用側双方の多様なニーズに合わせて規制緩和を実施した迄は良かったのかもしれないが、自由競争、資本主義経済の先にあるリスク迄予測できなかった結果がこの状況であろう。自民公明及び経団連は責任を持ってこの後の雇用対策やそれに関する法整備に努めてもらいたい。
 本来ならば、政党の枠を超え現在の危機的状況に対応していくのが、正しい政治家の姿だと思うが、それも望めない現状が一番の問題なのかもしれない。
 来年は一体どんな年になるのか・・・。