最近、前に勤めていた職場の方と会う機会があった。
 あまりにも久し振りであった為、食事をしながら概ね3時間ばかり話込んだ。
 現在の仕事の事やお互いの家庭の事等いろいろ話をした。
 前の職場を辞めてから約1年半が経過した。その間、お互いにいろいろな変化があった。ただ相手の中に変わらないものが一つだけあったようである。それは自分に対しての『主任』という呼称である。
 自分が辞めてから、自分が居た部署には『主任』というポストは存在していないという。ただ主任候補のリーダーが存在し、やがては主任になるだろうとのこと。それでも相手に言わせれば、誰が主任になっても自分に対する『主任』という呼称は永遠に変わらないと言う。
 彼が来た頃は、自分も未だ若く、ある種の情熱を持って仕事に取り組んでいた。盲目的な傾向もあり、周りの者に対し厳しく接していたことも覚えている。恐らくこの件は、そのような事も影響しているのだろう。
 永遠の『主任』とは、良い意味なのか悪い意味なのか、言っている本人にしか分からない。あまり追及すると気分が悪くなりそうだった為、その日はそのまま聞き流しておくことにした。