チームの力を計る為の試合に勝ってしまった。
 練習試合ではなく、相手も全力の公式戦で・・・。
 昨秋の練習試合、2人の左投手に手も足も出ず負けてしまった。その日以来、ずっとこの2人の左投手を攻略しようと練習に取り組んできた。自らバッティングピッチャーを務め、時にはオーバーハンド、時にはスリークオーターと、現役さながらの投げ込みを行い、左投手の球筋を覚えさせた。20日、22日そして昨日の試合直前は、こちらももう必死の思いだった。
 そのおかげかどうかは分からないが、初回から各バッター落ち着いて対応できていた。常にセンターから右方向への強い打球を意識し、しっかりと自分のスイングが出来ていた。何より見逃しの三振をして帰ってくる子がおらず、正直それだけでも満足だった。そう思っていた矢先に下位打線が奮起し、見事な集中打であっさりと2点を奪った。思わぬプレゼントを貰ったという喜びと同時にこれまでの重圧感からようやく解放されたような安堵感を感じた。
 その後、直ぐに右のサイドハンドへスイッチされた為、いつもの如く全く打てなくなってしまった。しかしゲームスコア2-1と1点のリードを守りきり、大きな勝利を得た。負けて学ぶつもりだったが、こちらとしてはうれしい誤算だ。ただ、監督をはじめ、チーム全員がこの結果を目標にしていた為、目標を達成してしまった後の事が心配である。何となくチーム全員の気持ちが切れてしまったように映る。今週土曜日の準決勝までに方針の打ち出し、気持ちを入れ直さないといけない。
 次の準決勝は前回大会の優勝チームが相手である。投手、野手ともに平均以上で、非常にバランスが良く、試合運びが抜群に上手い。昨年、数々のタイトルを獲っているチームだけに学ぶべき所は多くある。特にベンチにいる新4年生は自分のポジションの選手の動きを勉強するのに良い機会だ。自分の長男は、次の対戦チームの選手がとてもかっこよく見えたらしく、家に戻ると、その選手の動きやグラブ捌きを自分の物にしようと着替えもせずに練習していた。こいつには、燃え尽き等という言葉は無縁のようである。
 今日辺りには、監督から何らかの言葉が聞かれるだろう。昨秋から目標としていたチームと次に対戦した時に勝てる保証がない以上、恐らく方針や目標は変わらないだろうと考えている。自分もそれに備えて常にコンディションを作っておかなければならない。
 それにしてもこの肩と肘の痛みは、簡単にとれるのだろうか・・・。